わずか6年で売上高214億円のファッション通販サイトへ
–まず簡単に事業内容を教えてください。
レディースからメンズ・キッズまで、幅広いジャンルのファストファッションブランドのアイテムをまとめて購入できるファッション通販サイトを運営しています。現在750ブランド、25万点以上の商品を扱っています。色の違いなども入れれば130万もの商品数があります。始まってまだ6年ですが、売上高214億円に達しました。
–開始当初は売上目標をどのように考えていましたか?
100億円の壁っていうのがあるんですが、4年目でそれを達成することができました。4年目で145億円でしたね。でも、サービスを創った時は100億円いくなんて思っていなかったです。だから、いつまでにいくら売る、という納期は考えていませんでした。
–ここまで成長した理由をどのようにお考えですか?
時代のタイミングが大きいです。良いサービスって世の中にいろいろあるけど、時代と合っているかも非常に重要なんです。早すぎても、遅すぎてもダメです。SHOPLISTは時代のタイミングに合っていた。
あとは、事業のキードライバーです。「たくさんのブランド・アイテムの中から選ぶことができ、まとめて届けてくれる」これがSHOPLISTの強みです。キードライバーをしっかり考慮して、プラットホームにいかに人を呼び込むか、というのをしっかりと考えた結果だと思います。
まるでドラマ…壮絶な子ども時代、学生時代とは
–どのような小学生でしたか?
中学受験をしたんです。4年生から塾に通って。模試でも良い点数を取っていて、周りの人も受かると思っていました。それが結果は不合格。自分も含め、皆驚きです。母は泣き出すくらい。結局、唯一受かった第一志望ではない学校に通うことになりました。本番に弱かったんでしょうね(笑)12歳で挫折をすでに味わいました。
–部活やサークルはやられていましたか?
アメフト部でした。受験の反動からか、学校ではやんちゃしていたのですが、アメフト部に入って変わりました。いわゆる弱小チームでしたけど、とにかく楽しかった。アメフトは面白いんですよ!だって、普通は攻めと守りで違う選手がやるのに、私たちのチームは人数が少なかったから、攻めも守りも同じ選手がやるんです(笑)
–アメフトを通して学んだことはありますか?
仮説を立てて、実行して、検証。PDCAはスポーツから学びました。アメフトって一人のミスが命取りになるんです。たった一歩の違いで点数が取れないことも。だから、緻密な作戦とその再現性が重要になる。これってビジネスに通じると思うんです。
–学生時代一番頑張ったと思うのは何ですか?
アメフトもだけれど、学生時代に一番頑張ったのは、実はバイト。朝からカフェでバイトして、夕方から居酒屋行って夜まで。バイクに車に、欲しいものがたくさんあったから。自分で稼いだお金でバイクも車も買ったんです。でも、一番の動機はバイトが楽しかったこと。私がやっていたのは飲食店なんだけど、飲食店で成功するのは先読みができる人。箸が落ちる音を聞いただけで、お客さんに新しいのを渡しに行く、とかね。ビジネスではおもてなしの気持ちがすごく大事。この時期に身につけました。
–アメフトとバイトは両立されていましたか?
実は大学2年で結婚、大学3年生の時に子供ができたんです。そこからはバイトに絞りました。私が働いて養わなくちゃ、と。朝はカフェ、昼の仕込みから居酒屋へ行って、夜まで。もちろん大学はきちんと卒業しました。笑
最後に心を動かしたのは「人」 入社の決め手は「人」だった
–就職活動はどのようにされていましたか?
実はコンサルティング企業に入社する予定でした。当時、コンサルティング業界が勢いがあって、ものすごい倍率だった。そんな中で、最初の1組目に内定をもらったんです。だから3年の夏には就活が終わっていました。
–では、なぜ今の会社に入社されたのでしょうか?
クルーズの小渕社長に会って、魅了されてしまったからです。登壇しているのを見て、こんなにも人を魅了する人がいるのか、と。努力家で、自分にも他人にも厳しい。自身の軸に大切なのは「誰と」仕事をするかだと思ってたので、クルーズへの入社を決めましたね。というのも「何の」仕事をするかは後から付いてくると思っています。
入社時の想い、そして今考える自分の「役割」とは?
–入社時はどのような思いを持っておられましたか?
「誰よりもお金を稼ぐ、成果を出す」ものすごくシンプルです。
–今もその思いは同じですか?
今は個人のお金っていうのはあまり考えてない。どちらかというと、「クルーズグループを永続的に繁栄させたい」「SHOPLISTをインフラにしたい」です。
今大切にしているのは、役割を全うすること。役職は役割だと思っています。それぞれが役割を持っている。偉い人が優秀なんじゃなくて、自分の役割を全うできる人が優秀だと考えています。
–ご自身の役割は何だとお考えですか?
1つ目が企業文化の浸透、2つ目が3年後のために種をまくこと。これが社長の役割だと思っています。
企業文化を浸透させるには、自分が行動して、背中を見せること。何事も1番最初はトップが行動する、その後はフォローアップをしっかりする。それから、判断軸を明確にすることも必要。なぜそうしたかを明確にしてあげる。そうすると社長だけが判断できる、という状況ではなくなるんです。社員全員が判断できるようになる。「窮地に追い込まれた時に自分で判断できる」そういう組織を創りたいです。
–判断軸は具体的にどのようなものですか?
これもシンプルで2つありまして、1つめは「「ユーザーにとって良いか、悪いか」、2つめは「会社にとって良いか、悪いか」です。決して難しい判断をしているんじゃないんです。この軸に沿って、小さい決断を日々している。だから大きな決断も迷わずできるようになります。
これから社会に出る学生たちが今起こせる変化とは
–これから社会で活躍したい学生へアドバイスをいただけますか。
「思考」を変える努力をしてください。なぜならば、結局は自分との競争になってきます。だから、自分に打ち勝つメンタルも、行動量も必要になってくる。ここを強くするためには、思考を変えていくしかない。思考が変われば、行動も変わります。行動が変われば、結果も変わります。例えば「これでいいや」って思う人と、「今日はもう一個やろう」って思う人がいます。どっちが結果を出して、成長できますか?って話。この積み重ねが、将来大きな差になってきます。
–小さな変化が、将来大きな差になるのですね。
そうです。それから、アドバイスをもう一つ。小さいことでも良いから、目標達成をしてください。将来、大きな成功を手に入れたかったら、今からその経験を積んでおくこと。小さい成功体験がないと、大きい成功はできません。本当に小さなことからで良いです。目標を決めて、達成する。その経験が将来必ず生きてきます。
–ありがとうございました。最後に学生に向けて一言いただけますか。
「自分が何をやりとげたいのか」を見失わないでください。隣の芝生は青く見えます。そこで、自分が本当にやりたいことは何だったのか。自分の意思は常にはっきりさせておいてほしいですね。
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