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インタビュー

IT業界で活躍するために必要な1つの条件


京都・烏丸御池にオフィスを構え、「京都発の日本を代表するインターネット企業を目指す」ことを目標に掲げる株式会社プラスワン。首都・東京から離れ、西日本で輝きを放つベンチャー企業が選出される「注目の西日本ベンチャー100」にも選ばれた同社代表の原野朋弘氏に、これからのインターネット産業とそこで活躍する人物像について、お話しを伺いました。

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原野 朋弘 氏

株式会社プラスワン 代表取締役
京都府生まれ。大学卒業後、実家の家業を継ぐも、家業という恵まれた環境ではなく、さらに厳しい環境を求めて転職を決意。その後、外食産業や営業、企画業務などの職種を経験し、35歳の時に父の事業を引き継ぐ形で株式会社プラスワンを創業。自社メディアを展開するインターネットメディア事業、中小企業をメインターゲットとしたWEBコンサルティング事業の2事業を展開。2016年、西日本ベンチャー100にも選出。

 
 

内と外の両輪が軸。お客様の伴走者を目指す仕事

–現在はどのような事業をされていますか?
端的に言うと、「内」と「外」の2軸で事業を行っています。「内」というのは「インターネットメディア事業」のことで、「キュレーションサイト」や「まとめサイト」と言われる自社のWEBメディアを企画・運営する仕事です。そのメディアの中でお客様企業の商品をPRし、お問い合わせや購入などに繋げています。

もう1つの「外」と位置付けている事業は「WEBコンサルティング事業」です。まずは「HPを作りたい」という企業様に、HPの設計提案から制作納品までを行います。ただし、「作って終わり」ではなく、その後のWEBページの反響を見て「もう少し反響を大きく出来ないか」「商品の販売に繋げることは出来ないのか」というご相談まで受け付け、改善のご提案まで行います。そのため、定期的にご連絡するなどのフォローを行い、「HP制作はご縁のスタートに過ぎない」「伴走者として一緒に併走できる関係を目指す」という意識でお取引をしています。

–原野社長から見て、いまのインターネット市場はどう映っていますか?
インターネット広告のマーケットが拡大していることは間違いないと思います。電通さんが発表している「日本の広告費」という統計データによると、2016年の日本の総広告費のうち、インターネット広告が初めて20%を超えました。テレビが前年比101%で横ばい、新聞、雑誌がそれぞれ前年比95%、91%と右肩下がりという状況の中でインターネット広告は前年比113%。これらの数値からもインターネット広告がここ数年はまだまだ伸びていくことは間違いないと思います。

–確かにIT企業はかなり増えてきた印象です。
マーケットが拡大している以上、様々な企業が参入してくることは当然だと思いますね。当社の場合でも、HP制作の仕事では、2~3社と比較される中で制作会社を選ばれるのは当たり前ですし、インターネットメディア事業で言えば、「アメーバブログ(アメブロ)」や「AbemaTV(アベマTV)」で有名なサイバーエージェント社から、パワーブロガーと呼ばれる個人の方までが競争相手になってくるので、競い合うことは避けて通れない業界だと思います。
 

 

「当たり前の徹底」から生まれる差別化

–その中で「プラスワン」が選ばれる理由は何だとお考えですか?
大きく2つあると感じています。1つめは「内」と「外」の両輪で事業として持っている会社が少ないこと。HP制作ならHP制作だけ、メディア運営ならメディア運営だけを行っている会社が多い中で、プラスワンは、自社で運営しているメディアで、反応が上がった方法やトライ&エラーの結果をHP制作のお客様へ展開することが可能です。2つめは、選ばれる理由としての数値化は難しいのですが、プラスワンとして「当たり前の徹底」を常日頃から心がけるようにしています。

–「当たり前の徹底」がなぜ選ばれる理由になるのでしょうか?
私見ですが、IT企業の中で本当の意味で「当たり前の徹底」が出来ている企業は少ないのかなと感じています。業界全体の風潮として、「フランクさ」が許容されている雰囲気があるので、礼儀やマナーが欠けて見えるシーンも多く見受けられます。

–確かにIT企業というと「華やかでカッコいい」イメージです。
その背景には、インターネットというのは、結果が出るまでにスピードが格段に速いことが挙げられるかもしれませんね。そのため、「何しても良いやん、結果が出てるんやし」といった姿勢が出やすく、人として大切な部分や、組織として大事な部分がおざなりになってしまうのかもしれません。

–逆にプラスワンが抱える今後の課題はありますか?
やはり組織としてはまだまだ未成熟だと思います。まだ7年目の会社ですから、代表である私の下に、大勢の社員がいるという「ぶんちん型」の組織になってしまっているという点でしょうか。
 
 

「全力でムダをする」そのためにも「素直さ」が欠かせない

–では少し人事の話になったので、このまま人事・採用のお話しをお伺い出来ればと思います。現在、採用活動について、どのような取り組みをされていますか?
新卒採用をメインに、必要なポジションにのみ補完するイメージで中途採用を行っています。今後は新卒入社する社員が多数派になる状況を目指していきます。新卒採用は、2017年4月入社の世代から実施し、17卒で2名が入社、2018年卒では3名が入社予定です。このメンバーには、将来の幹部候補生として期待を込めながら、育てていきたいと考えています。

–新卒採用は育成がポイントになってくると思いますが、どのような育成をされていますか?
その点については、社外の知見のある方を積極的に頼るようにしています。プラスワンの場合、私が何かプロジェクトのアイデアは出しますが、その後の計画の作り込みや実行の部分は、若い人財に積極的に任せていきます。ただし、ほったらかしではいけませんから、手助けはします。必要であればコンサルタントや外部有識者の方に協力を仰ぎ、一緒にプロジェクトに参画してもらいます。教えを乞うという点の投資は、会社として惜しむつもりはありません。

–そうした育成を受けて伸びる社員とはどんな方でしょうか?
何よりも「素直さ」を持った人財だと思います。「自分はこう思います」という気持ちがあるのは分かりますが、その気持ちは一旦しまっておいて、一度「はい」と受け取って、教わった通りにまずはやってみる。そこから自分なりのやり方を加えていけばいいと思っています。「素直さ」は求める素養です。

–なぜ「素直さ」が最も大切だとお考えなのでしょうか?
「当たり前の徹底」にも通じるのですが、私が教えていることは物事の根幹、時代が変わっても不変的なことを教えているつもりだからです。もちろん時代と共に移り変わっていくものは沢山あると思いますが、例えば中国の「論語」のように2000年以上に渡って読み継がれているベストセラーも存在しますよね。経営のジャンルでは、ドラッカーさんの著書も何十年にわたり、今なお多くの経営者やマネージャー層の愛読書として読み継がれていますよね。私も40代で経営者としてはまだ若手かもしれませんが、20代の方よりは人生経験や得てきたものは多いはずです。そうした「人生の先輩」の教えは一度素直に従って欲しいと思いますね。

–ITやWEBといった最先端を行く企業から「論語」が出てくるとは意外でした。
そもそも自分の考えの根底に、「若いうちは全力でムダをして欲しい」という想いがあります。20代のムダと40代のムダは全く意味が異なると思っていて、若いうちは何かを一生懸命考えて、苦労して、時間をかけることが必要だと思います。今の時代、スマホで検索すれば何でも簡単に調べられる時代ですが、あまりに効率を進めすぎて、失われてしまったものがあるような気がしてなりません。すぐに答えを求めるのではなく、変わらない不変的な考え方の部分から身体に染み込ませていく。そこへの時間の投資を惜しんではいけないと思います。
 

 

「先のことは分からない」安定や普通を疑う気持ちを

–原野社長から見て、今後の日本社会はどうなると思いますか?
私は「先のことは誰にも分からない」と常に思っています。例えば、5年前にインスタグラムを使っていた人は何人いたでしょうか。あるいは10年前にTwitterやFacebookを毎日使っていた人は何人いたでしょうか。初代iPhoneをスティーブ・ジョブズさんが発表したのは今からたった10年前です。この10年で世界は劇的に変わりました。10年前に今のライフスタイルを予想していた人はどれくらいたでしょうか?企業も同じで、創業当時の事業を守り続けて、継続的に発展していくというのは難しい時代に差し掛かっていると思います。

–その中でプラスワンが生き残っていくためには、どのようなことを実践されるお考えですか?
やはり繰り返しになりますが、当たり前のことを徹底的にコツコツと続けていくこと、これしかないと思います。経営に裏技はありません。当たり前のことが出来ていない会社は発展しない。それは変わらない真理の1つだと考えています。あとは、「先のことは誰にも分からない」と言いましたが、「少し先の確定未来」を意識することは大切にしています。

–「少し先の確定未来」とはどのようなものでしょうか?
例えば、2019年10月には消費税が増税されます。2020年7月には東京にオリンピックがやってきます。こうした1~2年先の未来の見通しは立てられますから、それらは頭の片隅に入れて、対応出来る心構えをしておき、その裏側で日々当たり前を実践していくことを意識したいですね。だから、プラスワンもこの先、どんな事業をしていても良いと思っています。企業とは「環境適応業」だと考えているので、1つのことに固執せず、世の中のニーズに柔軟に対応していきたいですね。

–最後に、これから就職活動を迎える大学生にメッセージをお願いします。
2つあります。1つめは「安定って何なのか」「普通って何なのか」ということはぜひ考えてみて欲しいです。先日国内大手メガバンク3行が、合計3.2万人の人員削減に乗り出すと発表がありました。メガバンクと言えば、毎年就職人気ランキングで必ず上位にランクされています。そのメガバンクですらこの状況です。皆さんが望む「安定」や「大企業」、「ここに入ったらとりあえずは安泰」、そんな会社はこの時代には存在しないのかもしれない、そんな時代がすぐそこに来ています。その危機感を感じているのかどうかは、ぜひ今の大学生には問いかけてみたいです。

2つめは「知っていることに価値はなく、やったことにしか価値はない」という価値基準に早く慣れて欲しいです。学生は経験値が少ない分どうしても頭でっかちになってしまいがちですが、社会人になれば行動した人間が1番称賛されます。面白いアイデアが思いついている若者は沢山いると思いますが、踏ん切りがつかずウジウジと時間だけが過ぎているケースも多いのではないでしょうか。たとえ失敗しても命まで取られることはないのですから、チャレンジして飛び込む勇気は持って欲しいですね。
 
 

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【公式HP】https://www.plus1-one.co.jp/

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ryosuke taba

元インターン生/現社員
2014年11月入社/京都大学 文学部 卒
大学卒業後、2016年4月、株式会社インデンに入社。大学3年次から、長期インターンシップ生として、インターンシップ制度の設計運用、および新卒採用とマーケティング事業部の立ち上げ責任者を兼任。2017年6月に、社内最年少でマネージャー職に昇進。現在は、人事・採用ブランドマネジメント事業部で、若手人財の早期戦力化に従事している。

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