社会で働く経験の先にあった、自分が心から望むたった1つのビジョン/長期インターン生OG 京都大学 黒木 映奈 | Dekiroute[デキルート]
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社会で働く経験の先にあった、自分が心から望むたった1つのビジョン/長期インターン生OG 京都大学 黒木 映奈

社会で働く経験の先にあった、自分が心から望むたった1つのビジョン/長期インターン生OG 京都大学 黒木 映奈

 

「私は長期インターンシップを経験したことで、人のことをよく見て仕事がしたいなと思えました」

 
2年前にインデンの長期インターン生として活躍されていた黒木映奈さんは、こう話してくれました。

学生がアルバイトではなく長期インターンとして社会で働くことで得られるもの。それは一体何だと思いますか?
面接で使えるエピソード?社会で働いたことがあるという経験?

確かにこういった「就活に有利なネタ」はいくつか手に入るかもしれません。
しかし、長期インターンのメリットは果たしてそれだけなのでしょうか?

 
今回の長期インターン生OB・OGインタビュー第5弾では、日本でも認知されつつある長期インターンのリアルと、そしてその経験を通して得られる「最も意味のある気付き」とは何かをお伝えしたいと思います。

enakuroki黒木 映奈さん / Ena Kuroki

京都大学経済学部4年生 インターン生OG(2014年10月入社)
大学2年生の10月から、インデンに長期インターン生として8カ月間参画。
主にインターン採用、社員の営業サポート、インバウンド市場のリサーチを担当していた。

 
 
 

【1】大学生活という自由な環境がもたらしたものは楽しさ半分、がっかり半分

 
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-長期インターンを始める前はどのような活動をされていましたか?

学部のゼミに所属していたり、サークルにも所属していたりと、いわゆる普通の大学生活を過ごしていました。1年生のころの私は、周りの優秀な学生や面白い学生からたくさん刺激をもらいながら、大学生活を楽しみたいと考えていたのです。

ただ、実際に活動してみると、当初思っていたものと少し違いました。正直、「大学ってこんなものなのだな」と感じました。

 
私自身、自分なりに必死に受験勉強をしてきたので、今度は優秀な人たちが集まる場所でもっと自分が周りから刺激を受けながら少しずつ自分の将来の方向性を考えていけたらいいなと期待していたからです。

ところが、実際に大学に入ってみると思った以上に目的意識を持たずに過ごしている学生が多いように感じて、ある意味裏切られたなと思いました。

だから最初のころは楽しみ半分、がっかり半分といった感じの大学生活でした。ちょっと暗い言い方になってしまいましたが……

 
-そこからどのような経緯で長期インターンに応募されたのですか?

2年生の時にゼミの先輩方のお話を伺ったのがきっかけです。その先輩は4年生で就活を経験されていて、その方とお話をしているときに、ふと

 
「自分が社会に出て働く、というのはまだまだ遠い先の話ではないのだな」と思いました。

 
そのときに自分なりに将来のことを考えて、自主的に「働くという経験がしたい」と思ったのです。

それで、学生の内に実際に社会に出て、会社の業務に携わらせてもらえる機会が欲しいと考えるようになりました。社会というものを身をもって知る必要があると感じていた私にとって、長期インターンはこれ以上ないくらい良い機会でした。

 
 
 

【2】学生というモノサシが一切存在しない、ビジネスのリアルな現場に触れる

 
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-実際に参加することになってから、どのような業務を任されていたのですか?

大きく3つの業務を任せていただきました。

1つ目は長期インターン生の採用業務です。自社の長期インターンに応募してくる学生へ電話やメールで連絡したり、実際に説明選考会で司会進行や面接官として同席しました。2つ目は社員の営業活動のサポート。商談の進捗を管理して、止まっていると思われる案件を見つけて社員に状況を確認したりしました。3つ目はインバウンド市場の調査です。インバウンドに関するニュースを収集したり、最新データをまとめて、自社商材の説明資料に活用したりしていました。

-学生とは思えない仕事量のように感じますね……

私はこれは長期インターンの良いところだと思っているのですが、本当に「学生を学生として扱うことがない」ですね。学生という枠組みがない中で、どうやって社員の方と接していけばよいのか正直わかりませんでしたよ、最初は。

-そんな中でも心掛けていたことは何かありますか?

「配慮」ですね。私はもともと人をよく見て仕事をしていきたくて、相手の方のことをよく観察しながら、「どうすれば相手の方にいい気持ちで働いてもらえるか」ということを常々考えながら仕事をするようにはしていました。メールの文面1つにしても、他の社員の方になるべく負担がかからないような内容を工夫したりしていました。

-学生と社会人の考え方の違いを実感したエピソードはありますか?

責任感の違いを痛感した瞬間があります。

 
会社で業績報告会という大きな会社の集まりがあるのですが、私は体調を崩してしまってその会に出られそうになかったのです。そこで、上司の方に「欠席してもよいですか」とお伺いを立てたら、「本当に体調が悪くて出られないのなら出なくてもいい。でも、こういう会社の大事な予定があることをわかっていたのに体調を整えてこられなかったということは、社会人としてまだまだ半人前だよ」と言われてしまって。

 
学生の立場なら許されますよね、「体調が悪いのは仕方ないね」って。仮に休んでも自分1人の責任に留まるのでたいした問題ではない。でも、社会人になると自分だけじゃなくて周りの人が関わっているから、必ず大きな影響が出ます。

 
責任の重さも、学生から社会人になるにつれてどんどん重くなっていくということを、このときに学びました。

 
 
 

【3】自分から掴みに行けば行くほど、仕事は回ってくるしその密度は濃くなっていく

 
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-昔は長期インターン生と社会人が対等な立場で意見を出し合う会議があったらしいですね。

今思い返しても、本当に学生と社会人との隔たりを作ることなく、みんな平等に扱われていたのだなと思いますね。会議では社長から直接、議題のテーマと資料を考えておいてくれと言われたりすることもありましたし。実際にその会議で長期インターン生が発案したアイデアが通ることもあったのです。当時からとても大きな機会を与えてもらっているなと思っていました。

-黒木さんはガンガン発言するタイプのように見えますが……

そんなことはありません(笑)私はあまり会議では積極的に発言するタイプではありませんでした。ただ、実はそれが長期インターン全体を通じて唯一、心残りに思っていることなのです。

 
この時期、私は長期インターンのほかにもいろいろ掛け持ちしていて、他のメンバーに比べてあまり長期インターンに注力できていませんでした。他の人はなにか自分の強みを持っていて、それがしっかり活かせるような仕事を任せてもらえていたのですが、私にはそれがなかった。

私も「この分野に関しては黒木に任せよう」と思ってもらえるような信頼や強みを持ちたかったな、と感じていました。

-長期インターンは本当に自分の打ち込み方次第でどんどんできる仕事は増えていきますよね。

さっきも言ったように、学生という枠組みは本当になくなりつつあります。

与えられた仕事を継続的に一貫性を保ってこなし続けていくと、どんどん次の仕事が回ってきますしそこで求められる結果はどんどん厳しいものになっていく。

 
また難しい仕事になればなるほど、正解がない中で常に自分の頭で考えていかなければならなくなります。これは本当に難しいです。

 
今までの学校生活のように道筋が与えられていて、それに乗っかっていけば答えがあるなんてことは社会にはほとんどありません。しかし、そのような道筋がないからこそ自分からどんどん案を出して考えたり、周りの社会人の方を巻き込みながら協力していいものを作っていけるところは面白いことでもあります。

そうやって自分でも知らないうちに、当たり前の基準を高めていく。その当たり前の基準が自分をもっともっと成長させていって、そのまま自分の実力となっていく。そういうことにも気付けました。

 
 
 

【4】長期インターンを通して気付いたこと。それは自分のビジョンだった

 
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-長期インターンを終えて、得たことや気付いたことはありましたか?

自分がどうやって働いていきたいか、というビジョンが持てました。

学生生活の中ではなんとなくしか想像できませんが、長期インターンを通じて社会に出ると自分の働くイメージが見えてくることがあります。また、自分の強みや弱み、好きなことや苦手なことがわかるようになります。私にとって長期インターンはそういうことを知る良い機会でした。

私の場合、やっぱり自分は「人のことをよく見て仕事がしたい」と思っていることに気付きました。配慮ができる人、相手の方が何を考えているのかを考えながら仕事ができる人になりたいと思っていたのです。

 
この気付きは就活をする中で活かすことができました。「私はこういう人で、こういう思いをもって働いていきたいです」と明確に伝えることができたので、本当に自分のことを理解してくれる企業に巡り合えたと思います。

-とても素晴らしい振り返りですね。得るものは本当に大きかったのですね。

長期インターンをやっているときは必死で、そんなこと考える時間もありませんでしたけど(笑)
終えてみて自分の時間を持つようになってからゆっくり振り返ったときにはじめて「自分はこういう部分で少しは成長できたかもしれないな」と気づきました。

-見つかった強みと弱みは何でしたか?

強みは観察力ですね。自分と話している相手の方の考えは大体はわかります。実際、他の長期インターン生からの相談を受ける事が多かったです。「この人なら自分のことを理解してくれる」と思える人にしか相談ってできないじゃないですか。だからこういう部分は自分の強みなのかなと思っています。

弱みは発想力です。例えばアイデア出しでも、もっといい方法があるはずなのに気付けないことが結構ありました。社員の方や他の長期インターン生に比べたらもっと鍛えるべき部分だなと思いました。

 
-ありがとうございます!それでは最後に、Dekiroute[デキルート]読者に一言お願いします。

 
正直、長期インターンはすべての人にはお勧めできません。

 
「就活に有利になる」というメリットだけで長期インターンに参加しようかなと思っている人には、荷が重すぎます。また社会で働くという経験はどうせ大学を卒業して就職すればできるのだから、わざわざ学生でいられる期間を長期インターンに費やす必要は必ずしもないのかなと思います。

 
学生時代の時間は有限です。

 
旅や自己研鑽、勉強や留学など、自分が「心からこれがやりたいと思うこと」がもしあるのならば、その貴重な時間を思う存分費やして、そのことに没頭してほしいと思っています。

短い学生生活、就活や将来のキャリアのことばかりにとらわれて欲しくないというのが私の正直な気持ちです。

 
だから、もし学生生活で特にやりたいこともなくて、でも周りの優秀な人たちから刺激を受けられるような環境に身を置きたいという人がいたら、その人は長期インターンにチャレンジしてみてもよいかもしれませんね。

成長意欲の高い人にはもってこいだと思うので。

 
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【5】インタビューを終えて

 
「自分がどうやって働いていきたいか、というビジョンが持てる」

これこそが長期インターンを経て得られる「最も意味のある」たった1つのものであると僕は思っています。

学生はこれから自分の働く場所や働く意義を見つけていきます。

自分がどうやって働くのかもわからないままいきなり社会に出るのは、何の武器も持たずに自分の身1つでアフリカのサバンナに出ていくようなものではないでしょうか。

長期インターンは自分がどうやって働くかを知るための一助となってくれますし、そのような環境でがむしゃらに働くことで結果的に自分の成長もついてくると思います。

黒木さん、本当にありがとうございました!

この記事を書いた人

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ryo kitano

インターン生/2016年4月入社/京都工芸繊維大学

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